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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻8号

1986年08月発行

文献概要

今月の主題 生体リズム 生体リズム

採血時間と血液成分

著者: 玄番昭夫1

所属機関: 1中央鉄道病院中央検査部

ページ範囲:P.806 - P.809

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1.基本的な日内変動のパターン
 生物固有の現象である生体リズムのうち,おおよそ24時間を1周期とする変動を日内リズム(circadian rhythm),あるいは日内変動と言うが,この現象が体液,特に血液の成分にも反映してくる.しかし血液成分はこれ以外に食事,活動(体位),ストレス,薬剤といった変動因子によっても影響されるので,この日内変動は複雑な修飾を受けやすく,また一方では年齢,性という生理的変動因子による個体間差から,血液成分の日内変動は必ずしも普遍的な現象として理解されるべきものではない.しかしこのような制約はあっても,多くの血液成分にはある種の基本的な日内変動がみられる(表1).
 これらの中でもっとも著明な日内変動を示すものとして知られているのが血中コルチゾールであり,これは図1のように午前8時前後に最大,そして午後8時前後に最低という強固な日内変動を有している1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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