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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻8号

1986年08月発行

文献概要

今月の主題 生体リズム 生体リズム

成長ホルモンの分泌リズム

著者: 高橋康郎1

所属機関: 1東京都神経科学総合研究所心理行動学研究部

ページ範囲:P.825 - P.830

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1.はじめに
 脳下垂体前葉から分泌される成長ホルモン(growth hormone;GH)は,標的内分泌腺を持たず,全身の代謝調節に関与するホルモンである.その分泌は視床下部のGH分泌促進ホルモン(GRF)と分泌抑制ホルモン(GIF,somatostatin)によって調節されている.神経性の調節要因は視床下部で液性要因(ホルモン)に変換されてGH分泌を調節している.
 睡眠覚醒は中枢神経系の基本的な休息と活動の状態を示すものであって,これが内分泌系活動に影響を与えているのは不思議なことではない.これが最初に証明されたのが,著者らによるヒト睡眠時のGH分泌亢進の発見であった(1968年)1).これを契機として種々のホルモン分泌と睡眠との関係が次々と明らかにされ,ヒトではほとんど検討されつくした感があるが,このなかで睡眠との結びつきがもっとも強力なホルモンが,このGHである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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