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文献詳細

雑誌文献

臨床検査30巻8号

1986年08月発行

文献概要

今月の主題 生体リズム 総説

生体リズムに関する考察

著者: 中山昭雄1

所属機関: 1大阪大学医学部第2生理学教室

ページ範囲:P.845 - P.849

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 生体リズムとは具体的に何を指すのかと改めて自問すると,はなはだあいまいな答しか思いつかない.リズムとはある事が周期的に反復することであり,四季のリズムということばがあるから,生体が四季の移り変わりとともに,その生理的活動を変えるのも生体リズムであろう.リズムに乗ってとか,リズミカルということばは調子の良い状態を意味し,リズムが狂ってというのは不調時に用いるところをみると,リズムというのは生体機能をうんぬんするばあい無視できないもののようである.
 春夏秋冬,それぞれに応じて心理的生理的変化が緩やかに起伏するような,自然に則した生活が望ましいと筆者はかねがね考えているが,今日では多かれ少なかれ,ほとんどの人が冷暖房など人工気象環境に依存して生活している.このような四季のリズムの減弱が長期的にわれわれの生理機能にどのような影響を及ぼすかは,まだよくわかっていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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