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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻1号

1987年01月発行

文献概要

今月の主題 高血圧 総説

高血圧の成因と検査

著者: 桑島巌1

所属機関: 1東京都老人医療センター循環器科

ページ範囲:P.37 - P.44

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はじめに
 ここ十年の間に高血圧臨床面では,他の医学の分野に劣らず著しい進展をみ,特にそれは疫学面および治療面において顕著であった.例えば軽症高血圧の概念が打ち出され,それに対する降圧薬治療の有益性が証明され,また新しい機序を有する降圧薬が次々と開発され実用に供されてきた結果,悪性高血圧や難治性高血圧の頻度は著しく減少し,脳卒中などの高血圧合併症による死亡率も明らかに減少した.
 しかしながら,現在の本態性高血圧における血圧治療はコントロールすることであって,決して根治療法ではない.そのために高血圧患者は長期間にわたって降圧薬の服用を余儀なくされる.したがって,将来的には高血圧の機序が明らかにされ,発症そのものが抑制されることが望まれる.本態性高血圧の成因あるいは維持機構についても,最近の研究によりかなりの知見が増えてきているが,まだまだ解決すべき問題が山積している.
 本態性高血圧は文字どおり,原因不明の高血圧ということであるから,臨床的には各種検査により二次性高血圧を除外することによって本症の診断がなされる.二次性高血圧の多くは,外科的手術などの適切な治療により長期間降圧薬を飲む煩しさから逃れることができる.したがって,各種検査により二次性高血圧を除外することは高血圧診断の第一歩であり,きわめて重大なことと言えよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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