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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻1号

1987年01月発行

文献概要

研究

気管支喘息におけるMEFV曲線測定前後の肺内ガス分布の変化および気管支拡張剤吸入の影響

著者: 荒谷清1 松下淳1 林実1 榊原博一1 荒井正夫1 小林利次1 城戸優光2

所属機関: 1産業医科大学病院中央臨床検査部 2産業医科大学呼吸器科

ページ範囲:P.89 - P.93

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はじめに
 気管支喘息の基本的病態像は気道の過敏性であり,それに基づく気管支平滑筋の攣縮・気管支粘膜の浮腫・腫脹,気管支腺の分泌亢進などが種々の呼吸機能障害を惹起することは周知のとおりである.この呼吸機能障害の程度を定量的に把握するために1秒量・1秒率,気流速度,呼吸抵抗・気道抵抗,残気量・残気率,全肺気量および肺内ガス分布などの検査が行われる1,2)
 臨床的には気道狭窄の可逆性が重視されており3〜5),一般的には気管支拡張剤(以下BD)投与前後の呼吸機能検査値の改善率により評価されている6〜8).このように気管支喘息の診断や病態把握のために呼吸機能検査は不可欠の検査法であるが,近年スパイログラフィー実施時の深吸気それ自体が気道狭窄を誘発することが注目され始めた.特に強制呼出による気道狭窄については種々検討されているが,その病態生理学的解析についての報告は少ない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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