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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻10号

1987年10月発行

文献概要

今月の主題 制癌剤と臨床検査 カラーグラフ

フローサイトメトリーによる細胞回転と制癌剤の作用の分析

著者: 高倉公朋1

所属機関: 1東京大学医学部脳神経外科教室

ページ範囲:P.1032 - P.1033

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 フローサイトメトリーを用い,制癌剤の薬理作用を検査する方法が進歩している.もっとも一般的で簡単な方法は図3〜4に示したような細胞回転に応じた細胞のDNA量と細胞数を表示する方法で,制癌剤が,各腫瘍細胞回転のどの期に作用するかを明らかにすることができる.さらに腫瘍細胞の分裂状態(cell kinetics)を詳細に調べるためには,ブロモユリジン(BrdU)をDNA合成期に取り込ませたのち,一定時間毎に抗BrdU抗体を用いて細胞を染色し,図1,2に示したようにDNA量,取り込みBrdU量と細胞数の3パラメーターを同時に測定する二次元表示法が有用である.この方法を用いると細胞世代時間,S期細胞動態などの測定から,制癌剤の作用を一層詳細に調べることが可能になる.この方法は従来の3Hチミジンを用いる分析法と比較して,アイソトープを使わずに短時問に,容易かつ正確に細胞回転を分析できるので,きわめて優れた検査法であると言えよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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