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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻10号

1987年10月発行

文献概要

今月の主題 制癌剤と臨床検査 総説

制癌剤の検査データへの干渉

著者: 荒木英爾1

所属機関: 1国立がんセンター病院臨床検査部

ページ範囲:P.1067 - P.1074

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◆はじめに
 制癌剤は主として外科療法,放射線療法などと併用して癌の治療に用いられ,特に白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫,絨毛上皮腫,Wilms腎腫瘍などでは重要な治療法になっている.その他の癌では制癌剤投与により完全治癒がみられることもあるが,奏効率は一般に低く,厳密な判定基準を適用すると10〜20%程度のことが多い.しかし,それも近年の新薬剤の開発,投与法の進歩に伴って大幅に改善されつつある.
 制癌剤の作用は,核酸合成の各段階の反応を阻害するもの,あるいはDNAに作用してDNA鎖を切断,あるいは損傷させて,DNAを鋳型とするRNAあるいはDNA合成を阻害するものが多い1).したがって,分裂増殖の盛んな癌細胞にもっとも強力に作用するが,分裂の盛んな正常細胞からなる骨髄,腸粘膜,皮膚毛根,抗体産生細胞などにも作用し,白血球減少,胃腸出血,脱毛,免疫抑制などが発現する2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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