カラーDoppler法は血流情報を色調の変化として表し断層エコー図上にリアルタイムに重畳表示する方法であり,構造物と血流の二次元的分布状況を同時に観察しうるという特徴を持つ.本法ではトランスデューサーに向かう方向の血流が赤色系の暖色,遠ざかる方向の血流が青色系の寒色として表される.また流速が早いほど色調が明るく,乱流では暖色,寒色のモザイク状のパターンとして表れるため視覚的に血行動態の異常を判断することが可能である.
本法の利点としては,まず逆流や短絡血流が可視化されたことがあげられよう.しかも断層エコー図と血流情報が同時に表示されるため心構造物上での異常血流の局在性や広がりを容易に明確にでき,逆流の吹き出し口や短絡部位を詳細に知ることができる.さらにこれらの血流の探索が二次元的断面でリアルタイムに行えるため短時間のうちに十分な検索も可能である.