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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻3号

1987年03月発行

文献概要

研究

エンドトキシンの新しい比色定量法の基礎的検討と透析膜由来のリムルステスト陽性物質について

著者: 青山悦子1 野沢章夫1 山田誠一1 中村正夫1 山本光祥1 金沢司2 大和田滋2 石田尚志2

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学臨床検査医学教室 2聖マリアンナ医科大学第1内科学教室

ページ範囲:P.321 - P.325

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 エンドトキシン(Et)は,Gram陰性桿菌の細胞壁外膜の主要成分であり,発熱,抗腫瘍作用などの生物学的活性をもち,血液学,免疫学,微生物学など,多くの分野に関連がみられ,その生体への影響についても注目されている.従来よりEtの測定は,Etによって,カブトガニの血球抽出液(ライセート)が凝固すること(ゲル化法)1)およびライセートに組み合わせた合成基質を水解すること(合成基質法)2)を利用したリムルステストが用いられている.いずれの方法も,鋭敏かつ簡便に測定できる方法として,種々の分野で広く応用されている.しかし,近年,Et以外のリムルステスト陽性物質の存在が明らかとなり3,4),その特異性の問題について検討がなされた.Etとその他の陽性物質(ある種の多糖)とでは,ライセート中の反応経路が異なるので,両経路を分離し,Etに対して特異的な測定系の開発が試みられた5,6).この測定法に関する基礎的な検討を加えると同時に,従来のリムルステストと本法とを比較し,種々の血液透析膜を用いた血液透析患者の血中ならびに透析膜灌流液中のリムルステスト陽性物質について検討を行ったので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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