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文献詳細

雑誌文献

臨床検査31巻5号

1987年05月発行

文献概要

糖鎖の分析法・5

糖蛋白質糖鎖の病変—免疫グロブリンGと慢性関節リウマチ

著者: 遠藤玉夫1

所属機関: 1東京大学医科学研究所生物有機化学研究部

ページ範囲:P.544 - P.550

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はじめに
 免疫(immunity)とは,生体が自己と異なるものを認識し排除するという生体内恒常性保持機構である.この機能になんらかの異常が起これば,生体は非常なダメージを受けることになる.免疫機構には,侵入してきた異物(抗原,antigen)に対しB細胞により産生される抗体(antibody)が主役をなす体液性免疫(humoral immunity)と,T細胞が主役をなす細胞性免疫(cellular immunity)とそれぞれ呼ばれる二つの機構がある.近年では分子生物学の進歩により,何百万という異物抗原を生体がいかに認識し,それぞれの抗原に対する免疫応答を行うかという免疫応答の多様性と特異性の発現機構が解明されつつあり,それが非常に柔軟性に富んだ生体反応であることが明らかにされつつある.
 本稿では,ヒトIgGの構成成分である糖鎖構造について概略し,さらにその機能や構造異常と疾病との関連性について考察を加えてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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