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文献概要
センサの応用・3
化学センサの応用
著者: 石山陽事1
所属機関: 1虎の門病院生理学科
ページ範囲:P.552 - P.557
文献購入ページに移動はじめに
MEによる生体計測技術はコンピュータなどによる情報処理技術とともに,近年急速な進歩をとげている.特に生体計測用の医用センサの開発は,従来の臨床検査法を大きく変えつつある.中でもイオンセンサ,バイオセンサなどの化学センサによる生体成分の測定法は今や検体検査の主役となっている.血液中のPCO2,PO2,pH,あるいはNa,Kなどの電解質,グルコースや尿酸など多くの血中ガスや化学物質を,小型でしかも短時間で何日も安定に使用できる電極もすでに開発され,人工臓器システムや各種の術中モニター機器などに応用されつつある.
これらの化学成分の計測で特に重要なことは,多くの物質の中から特定の物質を選択的に効率よく検知することである.従来検知手順は,生体より一度検体を取り出した後,分離したり比色反応を起こさせるなどの行程が必要であった.しかも,種々の色素や酵素を使い捨てにすることが多く,反復使用が難しいなどの問題も残されていた.したがって,このような計測方法では検体そのものも損われ,消耗する物質も多いばかりでなく,生体内または体外循環回路内の連続測定は困難であった.そこでこれらの問題点を解決するために,最近ではガスセンサ,イオンセンサ,あるいはバイオセンサ(生物電気化学センサ)のような小型で性能の良い種々の電極の開発が試みられている.
MEによる生体計測技術はコンピュータなどによる情報処理技術とともに,近年急速な進歩をとげている.特に生体計測用の医用センサの開発は,従来の臨床検査法を大きく変えつつある.中でもイオンセンサ,バイオセンサなどの化学センサによる生体成分の測定法は今や検体検査の主役となっている.血液中のPCO2,PO2,pH,あるいはNa,Kなどの電解質,グルコースや尿酸など多くの血中ガスや化学物質を,小型でしかも短時間で何日も安定に使用できる電極もすでに開発され,人工臓器システムや各種の術中モニター機器などに応用されつつある.
これらの化学成分の計測で特に重要なことは,多くの物質の中から特定の物質を選択的に効率よく検知することである.従来検知手順は,生体より一度検体を取り出した後,分離したり比色反応を起こさせるなどの行程が必要であった.しかも,種々の色素や酵素を使い捨てにすることが多く,反復使用が難しいなどの問題も残されていた.したがって,このような計測方法では検体そのものも損われ,消耗する物質も多いばかりでなく,生体内または体外循環回路内の連続測定は困難であった.そこでこれらの問題点を解決するために,最近ではガスセンサ,イオンセンサ,あるいはバイオセンサ(生物電気化学センサ)のような小型で性能の良い種々の電極の開発が試みられている.
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