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今月の主題 周産期の臨床検査 巻頭言
周産期の臨床検査
著者: 河合忠1
所属機関: 1自治医科大学臨床病理学教室
ページ範囲:P.1059 - P.1059
文献購入ページに移動 Perinatal stageという英語を使うとき,わが国では二つの言い方が用いられているようである.産科的な立場からは周産期,小児科的な立場からは周生期というわけである.国際死因統計では,在胎満28週以後の胎児死亡と生後7日未満の早期新生児死亡を合わせて,周産(生)期死亡と呼んでいる.したがって,一応,周産期といえばその間と考えてよいであろう.しかし,胎児期に発病の原因がある場合もあろうが,遺伝子や染色体レベルでの病因があって胎児病へと進展することも少なくないであろう.また,新生児期とは一般に生後28日未満とされているが,生後1週間は身体臓器の機能に著しい変化が起こる時期で,生命に対する危険が特に高いことも事実である.このように,周産期というのは母親にとっても,児にとってもさまざまな危険にさらされているわけで,いろいろな重篤な疾病を起こしやすい.それにもかかわらず,胎児は母体内にあるために異常の存在に気づき難いし,新生児はまた自分自身の外界への反応性が十分に発達していないこともあって,とかく明らかな臨床症状を表し難い特徴がある.それ故に,できるだけ早期に異常を察知し,適切な処置をほどこすためには,どうしても各種の検査に頼らねばならないことになる.
胎児期または妊娠期の検査としては超音波検査や心電図,X線検査などのような生理学的・放射線医学的検査が有用であることはいうまでもない.また,母体の血液や尿の検査によって,胎児の置かれている生活環境の変化を知ることもたいせつである.さらに,最近では羊水穿刺の行われることがあって,羊水をいろいろな測定方法によって検査し,胎児の代謝の状況を知ることができるようになった.特に,遺伝子やDNAレベルでの診断技術の進歩によって,医学倫理のうえからも難しい判断にせまられている.
胎児期または妊娠期の検査としては超音波検査や心電図,X線検査などのような生理学的・放射線医学的検査が有用であることはいうまでもない.また,母体の血液や尿の検査によって,胎児の置かれている生活環境の変化を知ることもたいせつである.さらに,最近では羊水穿刺の行われることがあって,羊水をいろいろな測定方法によって検査し,胎児の代謝の状況を知ることができるようになった.特に,遺伝子やDNAレベルでの診断技術の進歩によって,医学倫理のうえからも難しい判断にせまられている.
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