文献詳細
文献概要
今月の主題 臨床生理検査の自動化 話題
医療用レーザーカード
著者: 椎名晋一1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部臨床検査医学教室
ページ範囲:P.61 - P.63
文献購入ページに移動はじめに
一人の患者について,検査データをはじめ医療情報が急速に増加する昨今,それに対応する方策が考えられている.コンピュータは情報量の増加に対応する容易さと検索の速さなどの点で目をみはるものがある.このことが,病院へのコンピュータ導入を促進させることになった.しかし,コンピュータ利用は現在のところ院内のシステム化にとどまり,大きな意味でのシステム化には至っていない.したがって,患者へのコンピュータの恩恵は十分とはいえない.患者の転医,外出先での事故などに際して,かかりつけの病院での患者情報を即座に提供することはこれまで困難であったが,それが可能になれば患者にとっての恩恵はどんなにか大きいことだろう.
そこで私どもは,医療用レーザーカードのリーダー・ライター装置の開発を目指して,日本コンラックス(株)と共同研究を行ってきて,世界に先駆けて実用化に成功したのである.このカードには医療情報を1メガバイト,すなわち普通のB5版の本として約280ページ分というきわめて膨大な文字や数字を収納することができる.したがって,このカードを患者が携帯することによって,健康保険証として,カルテ代わりとして,診療費領収書としてなど,さまざまな用途が考えられ,その有用性はきわめて高いと思われる.
一人の患者について,検査データをはじめ医療情報が急速に増加する昨今,それに対応する方策が考えられている.コンピュータは情報量の増加に対応する容易さと検索の速さなどの点で目をみはるものがある.このことが,病院へのコンピュータ導入を促進させることになった.しかし,コンピュータ利用は現在のところ院内のシステム化にとどまり,大きな意味でのシステム化には至っていない.したがって,患者へのコンピュータの恩恵は十分とはいえない.患者の転医,外出先での事故などに際して,かかりつけの病院での患者情報を即座に提供することはこれまで困難であったが,それが可能になれば患者にとっての恩恵はどんなにか大きいことだろう.
そこで私どもは,医療用レーザーカードのリーダー・ライター装置の開発を目指して,日本コンラックス(株)と共同研究を行ってきて,世界に先駆けて実用化に成功したのである.このカードには医療情報を1メガバイト,すなわち普通のB5版の本として約280ページ分というきわめて膨大な文字や数字を収納することができる.したがって,このカードを患者が携帯することによって,健康保険証として,カルテ代わりとして,診療費領収書としてなど,さまざまな用途が考えられ,その有用性はきわめて高いと思われる.
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