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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 2 癌遺伝子に関する検査

A.発癌と癌遺伝子・遺伝子異常

著者: 関谷剛男1

所属機関: 1国立がんセンター研究所腫瘍遺伝子研究部

ページ範囲:P.1282 - P.1287

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はじめに
 癌はDNAの病気である.30億個の塩基の配列で作り出される遺伝情報のどこかに傷がつくことによって,細胞は癌化する.では,DNA上のどこに傷がつくと癌になるのか,これが問題となる.DNA上には遺伝子が並んでいるが,細胞を殺さずに,逆に増殖させ続けるようなDNAの傷としては,蛋白質をコードするような遺伝子のどれかの傷が考えやすい.蛋白質をコードする遺伝子は5万〜10万個存在することが想定されているが,その中でも,細胞の増殖にかかわる遺伝子を考えるのが妥当である.
 それでは,どのような増殖制御遺伝子の異常がヒトの癌で観察されているかを概観してみることにする.しかし,細胞増殖にかかわる遺伝子といっても,どれについて調べればよいのかが問題である.ヒト癌で異常を示す可能性のある候補遺伝子を知る必要がある.まず,これらの候補遺伝子を見つける方法から紹介することにする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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