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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 2 癌遺伝子に関する検査

C.臨床に有用な癌遺伝子 2)N-myc遺伝子

著者: 嶋武博之1 塚原哲夫1 中川千鶴1

所属機関: 1東邦大学医学部分子生物学研究室

ページ範囲:P.1308 - P.1312

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はじめに
 N-myc遺伝子は,神経芽細胞腫,網膜芽細胞腫およびWilms腫瘍などの特定の小児癌でのみ発現しており,胎児期を除いた正常組織ではその発現が認められない.これらN-myc遺伝子が発現している腫瘍(N-myc性腫瘍)の中には,N-myc遺伝子増幅型と非増幅型とが存在する.神経芽細胞腫において,N-myc遺伝子の増幅は予後と密接な関係を有しており,小児外科領域では不可欠な診断法となりつつある.一方,抗ヒトN-myc蛋白抗体によるN-myc遺伝子産物(N-myc蛋白)の検出法1)では,神経芽細胞腫などにみられるN-myc遺伝子増幅型腫瘍のみならず,非増幅型の腫瘍においてもN-myc性腫瘍であることを同定することができる.
 N-myc性腫瘍の検査は,①遺伝子増幅の有無を検出するものと,②N-myc蛋白の発現を調べるものとがあり,以下おのおのについて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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