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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査

B.各論 1)CEA

著者: 大倉久直1

所属機関: 1国立がんセンター病院臨床検査部

ページ範囲:P.1331 - P.1333

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はじめに
 CEA (carcinoembryonic antigen;癌胎児性抗原)は1965年Goldが大腸癌から抽出した,分子量約20万の糖蛋白である.その後,CEAが単一の抗原でなく,CEAと抗原の一部を共通にもった類似抗原が,正常糞便,胎便,胆汁,肺組織などに存在することが知られ,NCA,NCA2,BGP−1,NFAなどと命名された.最近,精製抗原の解析からその抗原決定基(エピトープ)の構造が明らかにされ,ペプチド鎖を作る遺伝子が合成された.その結果からも,CEAと関連抗原の構造の類似性が明らかであって,最も特異性が高いとされているモノクローナル抗体でも,一部の非癌組織と反応する.したがって,われわれが日常測定しているCEAとは,癌と胎児細胞で作られる一定の共通抗原エピトープをもったCEAグループ糖蛋白分子の総称といえよう.またCEAは大腸・直腸癌だけでなく,胃癌,乳癌,肺癌などの多くの腺癌と甲状腺髄様癌でも産生される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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