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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

特集 癌の臨床検査

I 癌そのものをとらえる検査 3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査

B.各論 3)BFP

著者: 石井勝1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター臨床検査部

ページ範囲:P.1338 - P.1341

文献概要

はじめに
 BFP (basic fetoprotein;塩基性胎児蛋白)は,1974年筆者1,2)によりヒト胎児の血清,腸および脳組織中に見いだされた,γ-グロブリン分画に電気泳動される蛋白である.本蛋白は分子量55,000,等電点8.5〜9.15の塩基性蛋白である3)
 BFPは生化学,免疫組織化学的研究により胃癌,結腸癌,原発性肝細胞癌,肺癌,乳癌,腎癌,膀胱癌,睾丸癌,子宮癌,卵巣癌,白血病細胞など広範囲の諸種の悪性腫瘍に存在し,主に原形質に局在することが明らかにされている4).1982年にはBFPのモノクローナル抗体が作製され5),これを用いた酵素免疫学的測定法(EIA)が開発され,BFPの腫瘍マーカーとしての有用性が検討された3).その結果,BFPは原発性肝癌,膵癌および胆嚢・胆管癌などの消化器癌,肺癌,腎癌,睾丸癌,前立腺癌,卵巣癌および子宮癌などの泌尿生殖器癌などbroad spectrumな腫瘍マーカーとしての有用性が報告7)されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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