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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査

B.各論 10)CA−50

著者: 石井勝1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター臨床検査部

ページ範囲:P.1366 - P.1369

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はじめに
 CA-50は,1983年スウェーデン,ゲーテボルグ大学のLindholmら1)によってヒト結腸直腸癌由来培養細胞株(Colo205)を免疫原としてハイブリドーマ技法を用いて作製されたモノクローナル抗体C-50が認識する糖鎖抗原である.CAはcarbohydrate antigenに由来する略称である.CA-50のわが国への導入は,1985年当初,Lindholmから競合RIA(competitive radioimmunoassay)用試薬供与の機会が筆者に与えられたことに初まる.これを用いて血清CA-50を測定した結果,Lindholmらが当時主張した大腸癌の腫瘍マーカーではなく,CA19-9とは若干異なる膵癌,胆嚢・胆管癌の腫瘍マーカーとしての高い有用性を認め,報告2)した.その後,わが国でもCA-50測定キットが開発され,他方,測定キットが国外からも導入され,今日ではほぼ膵癌,胆嚢・胆管癌の優れた腫瘍マーカーとして確立されてきたと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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