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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査

B.各論 11)シアリルSSEA−1抗原

著者: 神奈木玲児1 井村裕夫2

所属機関: 1京都大学医学部臨床検査医学教室 2京都大学医学部第二内科

ページ範囲:P.1370 - P.1373

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はじめに
 シアリルSSEA−1抗原は,癌胎児性の糖鎖抗原の一つであり,肺腺癌,卵巣癌および膵癌をはじめとする各種の腺癌患者血清中で高値となるので,これらの癌の血清診断に用いられている.本抗原の研究史は,SSEA−1抗原の研究に始まる.SSEA−1抗原は,初め米国ウィスター研究所のSolterおよびKnowlesによってマウスの着床前の初期胚に発見された抗原である.胚発生の一定の時期に特異的に出現するため,stage-specific embryonic antigen−1(発育時期に特異的な胎児性抗原の第1号)と名づけられた.これを略してSSEA−1抗原と呼ばれている.生化学的にはSSEA−1は糖鎖抗原であり,1982年になって抗原糖鎖の全構造が解明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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