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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査

B.各論 12)NCC-ST−439

著者: 大倉久直1 菅野康吉2 広橋節雄3

所属機関: 1国立がんセンター病院臨床検査部 2日野市立総合病院外科 3国立がんセンター研究所病理部

ページ範囲:P.1374 - P.1376

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はじめに
 NCC-ST−439とは,国立がんセンター研究所の広橋らがヒト胃癌をヌードマウスに免疫して作製したモノクローナル抗体,NCC-ST−439が認識するシアリル糖鎖抗原の名称である1).その抗原構造はいまだ不明であるが,末端にシアル酸をもった比較的短い糖鎖で,CA19-9,CA−50,シアリルSSEA−1,シアリルルイスXなどの既知の糖鎖とは異なることが確認されている.抗原が胃癌に対して作られ,免疫染色によって胃癌組織に高頻度に検出されたため,当初は早期胃癌診断に期待がもたれたが,血清中の抗原測定研究によって胃癌患者血清での陽性率は低く,むしろ乳癌,膵癌,胆道癌,大腸癌など多種類の腺癌での診断的意義が注目された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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