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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査

B.各論 17)γ-セミノプロテイン

著者: 江藤耕作1 吉武信行1

所属機関: 1久留米大学医学部泌尿器科

ページ範囲:P.1390 - P.1393

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はじめに
 前立腺腫瘍マーカーとしては,1938年Gutmanら1)が報告した血中酸性ホスファターゼ(ACP)が長らく前立腺癌の診断,治療効果判定に用いられてきた.しかし特異性,感受性に乏しく,1964年Schluman2)がACP中の前立腺組織特異分画(PAP)を報告し,現在までこのPAPが腫瘍マーカーとして広く用いられている.そのPAPも,早期癌で陽性率が低いこと,遠隔転移を有する進行癌においても20〜25%に陰性例をみることから,前立腺癌に対する感受性,特異性の高い腫瘍マーカーの開発が待たれていた.
 われわれは,原ら3)によって発見されたヒト精漿特異抗原であるγ-セミノプロテイン(γ-Sm)に着目し,新しい前立腺腫瘍マーカーとして臨床応用し,その有用性を報告してきた4,5).今回,γ-Smの性状,測定値の読みかた,臨床的効用について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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