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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査

B.各論 19)PAP

著者: 町田豊平1 池本庸1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学泌尿器科

ページ範囲:P.1397 - P.1400

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はじめに
 1936年にGutmanら1)が血清酸性ホスファターゼが前立腺癌で上昇することを見いだして以来,血清酸性ホスファターゼは前立腺癌の診断や,治療後の経過観察の指標として注目され用いられてきた.しかし,酵素法による酸性ホスファターゼ測定は検体の取り扱い(溶血など)や,酵素活性の不安定性,さらに偽陰性が多いなどのため,臨床的評価はいま一歩であった.しかし1970年代後半から,前立腺にのみ由来する酸性ホスファターゼ(prostatic acid phosphatase, PAP)の免疫学的な臓器特異性が解明されると,ラジオイムノアッセイ(RIA)やエンザイムイムノアッセイ(EIA)などの免疫学的測定法が次々と開発された.これらの免疫学的定量法は特異性,感度,安定性などの点で明らかに酵素法より優れ,その有用性が高く評価され,今日に至っている.
 以下に前立腺由来酸性ホスファターゼ(PAP)の性状,測定法,臨床的意義,問題点を教室での経験を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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