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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

特集 癌の臨床検査 I 癌そのものをとらえる検査 3 癌組織産生物質"腫瘍マーカー"の検査

B.各論 20)CA125

著者: 福島雅典1 木村英三2 佐々木寛2 寺島芳輝2

所属機関: 1愛知県がんセンター病院内科 2東京慈恵会医科大学産婦人科

ページ範囲:P.1401 - P.1404

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性状
 CA125は,上皮性卵巣癌でも発生頻度の高い漿液性癌の培養株を用いて作製されたモノクローナル抗体OC1251)により認識される癌関連抗原である.CA125抗原の性状は十分に解明されていないが,セファロース2Bカラムによるゲル濾過でvoid volumeに溶出するので,全分子量は200万以上と考えられる.生化学的性状としては過ヨウ素酸,グリコシダーゼ処理で抗原活性は消失せず,加熱,プロテアーゼ処理で抗原活性が減弱することから,抗原決定基は糖鎖ではなくペプチド部分に存在すると推定される2)
 一方,OC125を用いた免疫組織化学的検討によって卵巣癌細胞のみでなく良性卵巣腫瘍組織,正常子宮内膜細胞,羊膜上皮などにも局在を認めており,この点に関しては癌特異性は低いといえる.なお,CA125の血中半減期については十分に解明されていないが,かなり短いものと予想される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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