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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

わだい

癌性アルカリ性ホスファターゼ

著者: 飯野四郎1

所属機関: 1東大第一内科

ページ範囲:P.1479 - P.1480

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 癌性アルカリ性ホスファターゼ(ALP)として知られているものには,胎盤ALPに類似するものと胎児小腸ALPに類似するものの二つがある.前者は1967年,Fishmanらによって,肺癌患者血清中にケタはずれにALPが高値を示した例に見いだされたもので,当時としては,物理化学的にも,血清学的にも,生化学的にも胎盤ALPと区別できない腫瘍産生性ALPとして報告され1),患者名にちなんでRegan isoenzymeと名づけられた.その後,性状が多少異なるものの同じく胎盤性ALPに属するものが中山らにより発見され,Nagao isoenzymeとして報告された2)
 胎盤性ALPの最大の特徴は65℃の熱処理を行っても失活しないことであり,時に胎盤性ALPで上記の処理で多少の失活をみる場合もあるが,この場合でも,微量のMg2+を加えることにより,活性が低下しないことに特異性がある3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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