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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

わだい

サイログロブリンと甲状腺癌

著者: 内村英正1

所属機関: 1東大臨床検査医学

ページ範囲:P.1480 - P.1481

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 サイログロブリン(Tg)は分子量66万の糖蛋白で,甲状腺濾胞細胞が生成し,濾胞内のコロイドの主成分として存在する.したがって,甲状腺細胞が特異的に生成し分泌している蛋白であり,甲状腺の組織量や活動性に関連して甲状腺内の含有量も変化する.正常者の血中にも検出され,その濃度はコロイド内と同様に甲状腺組織量,活動性に関係していることが明らかとなり,臨床検査としての有用性が認められた.RIAやEIAによる簡便な測定法も開発され,日常検査として容易に測定が可能となった.
 生理的には,TSHに依存して甲状腺から血中に放出され,甲状腺ホルモン(T3,T4)を服用すれば甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が抑制されるため,血中Tg濃度は減少する.女性,特に妊娠婦人では増加していることが多い.また,バセドウ病患者の血中に認められ,甲状腺刺激作用のある甲状腺刺激抗体(TSAb)の刺激によっても甲状腺から血中に分泌されるので,TSAbにより甲状腺が刺激されているバセドウ病病患者では増加している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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