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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

わだい

hCG-βサブユニット

著者: 友田豊1

所属機関: 1名大産婦人科

ページ範囲:P.1481 - P.1482

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 hCGは,胎盤の絨毛細胞から分泌される糖蛋白ホルモンで,妊婦および絨毛性腫瘍患者の血清中と尿中に存在する.その構造は,1970年Swaminathanによる報告以来,α,βの二つのサブユニットから成り,hCG-αサブユニットは89〜92個のアミノ酸残基から構成され,糖含量に差異はあるものの,アミノ酸配列は他のゴナドトロピン,とりわけLHのα-サブユニットときわめて類似していること,一方,hCG-βサブユニットは139〜145個のアミノ酸残基をもち,hCG-βサブユニットのC末端より28〜30個のアミノ酸は,LH-βサブユニットをはじめ,他のゴナドトロピンのβ-サブユニットにはまったく含まれておらず,hCGの免疫学的特異性を決定していることが知られている.図は,hCG-サブユニットとLH-βサブユニットのC末端アミノ酸配列の相違を示す.
 hCGの生理学的機能は,LH様作用を介して妊娠黄体を刺激することにある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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