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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

わだい

DNA損傷と発癌

著者: 穴井元昭1

所属機関: 1九州大医療技術短期大学部

ページ範囲:P.1482 - P.1483

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 癌形質が細胞分裂によって娘細胞に伝えられ安定に保持されることや,ヒトの発癌因子の一部にDNAに損傷を与える紫外線,X線あるいは化学発癌物質があることから,癌化とは特定の遺伝子の突然変異に原因があるとする考えかたがあった(体細胞突然変異説).この説の直接の証明は,癌遺伝子(c-H-ras)がヒト膀胱癌由来の細胞株から分離され,さらにこの遺伝子に相同な部分がヒト正常細胞のDNAにも含まれており,その違いは,単一の塩基置換のためにc-H-ras遺伝子がコードする分子量21,000の蛋白質のN末端から12番目のグリシン(GGC)がバリン(GTC)に変化していることが明らかにされたことである1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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