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特集 癌の臨床検査 III 制癌剤に関する検査
1 血中薬物濃度モニタリング
著者: 藤本孟男1
所属機関: 1愛知医科大学小児科
ページ範囲:P.1514 - P.1518
文献購入ページに移動はじめに
癌の化学療法による治療は,腫瘍・宿主および薬物の相互関係から抗癌剤の薬理学的特徴と腫瘍細胞の細胞増殖動態をうまく結合させ,体内薬物動態により,個々の患者の状態に応じた適正治療で,より多くの患者に,より高い治療効果を施すことが大切である.
臨床薬物治療において,適正な投与量,投与スケジュールの設定は,試行錯誤によって発展してきた.しかし,一定量を患者に投与した場合,ある患者には卓効するが,ある患者には効果のみられないことが経験されている.この理由について大きな関心が寄せられている.近年になり,血漿(血清),髄液など体液中の薬物濃度を迅速,正確かつ容易に測定する技術が進み,臨床薬理学的に,効果または毒性と薬物濃度の間に密接な関連性があることが判明した.すなわち,薬物濃度が適正値域内にあることが望ましい臨床効果を示すことであり,異常な薬物濃度では毒性が生じることが判明した.
癌の化学療法による治療は,腫瘍・宿主および薬物の相互関係から抗癌剤の薬理学的特徴と腫瘍細胞の細胞増殖動態をうまく結合させ,体内薬物動態により,個々の患者の状態に応じた適正治療で,より多くの患者に,より高い治療効果を施すことが大切である.
臨床薬物治療において,適正な投与量,投与スケジュールの設定は,試行錯誤によって発展してきた.しかし,一定量を患者に投与した場合,ある患者には卓効するが,ある患者には効果のみられないことが経験されている.この理由について大きな関心が寄せられている.近年になり,血漿(血清),髄液など体液中の薬物濃度を迅速,正確かつ容易に測定する技術が進み,臨床薬理学的に,効果または毒性と薬物濃度の間に密接な関連性があることが判明した.すなわち,薬物濃度が適正値域内にあることが望ましい臨床効果を示すことであり,異常な薬物濃度では毒性が生じることが判明した.
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