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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

わだい

癌抑制遺伝子

著者: 井川洋二1

所属機関: 1理化学研究所筑波研究センター

ページ範囲:P.1560 - P.1561

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1.レチノブラストーマ遺伝子の単離
 ヒトの癌から得た癌細胞の染色体をみると,特定の染色体が欠落したり,部分的異常を示したりすることがあり,特に家族的背景を持つ網膜芽細胞腫(レチノブラストーマ)において,第13番目の染色体の長腕の異常が注目された.数多くの初発巣の染色体検査の集積から,その患者の正常組織において,すでに第13番目の染色体の一方のある部位に欠損があり(京大の佐々木正夫らによると日本人では父方由来の染色体が多い),なんらかの機転で同様の変化がもう片方の染色体にも起こったときに腫瘍が発生することがわかった.
 このレチノブラストーマの発生を抑えている遺伝子をRB遺伝子と呼び,上記の所見から"劣性癌遺伝子"とされたが,数年前,その遺伝子が米国ケンブリッジのWhitehead研究所のWeinberg博士らのグループにより単離された1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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