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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻11号

1989年10月発行

文献概要

わだい

リンホカイン活性化キラー細胞(LAK細胞)

著者: 井廻道夫1

所属機関: 1東大第三内科

ページ範囲:P.1563 - P.1564

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 末梢血リンパ球あるいは脾細胞を高濃度のリンパ球の分化誘導・成長因子であるリンホカイン,インターロイキン−2(IL−2)の存在下で培養すると,ナチュラルキラー(NK)細胞に抵抗性の株化癌細胞や新鮮な癌組織の癌細胞を殺すキラー細胞が4〜5日で誘導され,このようなキラー細胞はリンホカイン活性化キラー細胞(lymphokine-activated killer細胞;LAK細胞)と呼ばれる.LAK細胞の誘導には腫瘍抗原刺激は必要でなく,LAK細胞は主要組織適合遺伝子複合体(majorhistocompatibility complex;MHC)に規定されずに広範囲の腫瘍細胞を殺す.LAK細胞は不均一なキラー細胞の集団であり,大きくはMHCに拘束されない細胞傷害性T細胞(CTL)とNK細胞の2群に分かれ,IL−2との培養の初期に誘導されてくるLAK細胞は,主としてNK分画に属し,長期培養を行うとCTL分画のLAK細胞の割合が増してくる.
 IL−2は,1976年MorganらによりT細胞増殖因子として報告されたヘルパーT細胞により産生されるリンホカインの一種であり,CTLの分化・増殖,NK細胞の増殖・増強,γ—INFの産生誘導を促す作用を有する.1983年には遺伝子組換えIL−2(rIL−2)の生産技術により,大量のrIL−2を得ることが可能となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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