icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻12号

1989年11月発行

文献概要

今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー 血小板

放出反応マーカーPF-4,β-TG

著者: 寮隆吉1 足立昌司1 安永睦1 吉田明憲1 菅野亘1 山口延男2

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院輸血部 2神戸大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.1590 - P.1596

文献購入ページに移動
 PF-4とβ-TGの測定は血小板の放出反応をみるマーカーとして有用であるが,血小板の活性化される代表的な疾患である血栓症の診断においても,臨床の場ではさほど必須な情報として使われていない.ただヘパリン起因性血小板減少症の際は,PF-4やβ-TGの値が病状の推移を正確に反映することを述べた.また,EDTA依存性血小板減少症の際は,抗体関与による凝集にもかかわらずPF-4やβ-TGの放出がないことを示して,PF-4とβ-TGの測定が凝集の機序を考えるうえに有用な情報を与えることを紹介した.
 PF-4遺伝子の発現は成熟した巨核球の同定の良いマーカーであり,PF-4mRNAを認める巨核芽球性白血病は予後が良好であることを示唆するという,PF-4遺伝子を使った遺伝子的アプローチも紹介した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?