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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻12号

1989年11月発行

文献概要

今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー 凝固

トロンビン生成マーカートロンビン・ATIII複合体

著者: 斉藤正典1 松田保1

所属機関: 1金沢大学医学部第三内科学教室

ページ範囲:P.1608 - P.1613

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 血液凝固反応において,トロンビンの生成は凝固活性化を示す証拠となる.生じたトロンビンは血中のアンチトロンビンIII (antithrombin III;ATIII)により中和され,トロンビン・ATIII複合体(thrombin-ATIII complex;TAT)を形成するため,TATの証明はトロンビン生成のよい指標となる.ごく最近,サンドイッチ法に基づく酵素免疫測定法を用いたTAT測定法が開発され,臨床上に利用されつつある.TATは凝固亢進状態を鋭敏に反映するため,DICをはじめとする血栓症および血栓準備状態の診断に有用であり,今後この測定法がさらに臨床面において応用されることが期待される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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