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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻12号

1989年11月発行

文献概要

今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー 線溶

プラスミン生成マーカープラスミン・α2PI複合体

著者: 川合陽子1 渡辺清明1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部

ページ範囲:P.1620 - P.1624

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 生体では,凝固系と線溶系がお互いに平衡関係を保ちながら,血栓-止血機構を制御している.この制御には非常に多くの血漿蛋白が関与し巧みに行われている.数多い分子マーカーのうち,線溶系の中心的役割をになうのがプラスミンであり,凝固・線溶動態の鍵はトロンビンとプラスミンが握っているといっても過言ではない.近年,活性化された因子は生理的なインヒビターで中和され,速やかに複合体を作ることに着目し,トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体(TAT)やプラスミン・α2PI複合体(PIC)の測定法が開発された.これらが増加していれば凝固線溶系の活性化の証明となり,厚生省のDIC診断基準の補助的検査項目のひとつでもある.
 ここでは,線溶系の指標となるプラスミン生成マーカー,PICについて,測定意義,検査法,臨床的有用性など,自験データをまじえて述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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