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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻12号

1989年11月発行

文献概要

今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー 線溶

フィブリン崩壊マーカーFDPDダイマー

著者: 香川和彦1 天野景裕1 緇荘和子1 池松正次郎1

所属機関: 1東京医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.1625 - P.1630

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 フィブリノゲン-フイブリン反応系にプラスミンが作用して生じたFDPは,種々の分画を有するheterogeneityに富んだ物質群である.安定化フィブリンからの分解産物は,Dダイマー分画を含むことが特徴で,この分画を中心としたDダイマー関連物質の測定は血栓溶解の有無,すなわち二次線溶をとらえることを目的としている.通常,血中には微量にしか存在しないDダイマー関連物質は,線溶系の分子マーカー,特にフィブリン崩壊マーカーとしてDICなどを中心に重要視されている.このDダイマーの測定を目的として現在数種類のキットが市販されているが,いずれもDダイマーに対するモノクローナル抗体を用いた免疫学的測定法によるものである.測定系は定量的にはEIA,半定量的にはラテックス凝集法を中心に構成されるが,測定法によりFDP分画に対する特異性,反応性は異なり,その選択や解釈には注意を要する.
 DIC症例では従来のFDP値と同様に高値を示すが,一部では一次線溶やプラスミン以外の酵素の関与も示唆され,今後さらに検討されなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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