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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻12号

1989年11月発行

文献概要

今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー 線溶

フィブリン・フィブリノゲン崩壊マーカーFPBβ15-42,FPBβ1-42

著者: 香川和彦1 立山雅己1 緇荘和子1 池松正次郎1

所属機関: 1東京医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.1631 - P.1636

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 ブイブリノゲンBβ鎖N末端にプラスミンが作用するとフィブリノペプチドBβ1-42が遊離し,トロンビンにより形成されたフィブリンにプラスミンが作用するとフィブリノペプチドBβ15-42が放出される.すなわち,線溶系分子マーカーとして,Bβ1-42はフィブリノゲン崩壊(一次線溶)を,Bβ15-42はフィブリン崩壊(二次線溶)を意味するものであり,これらの測定は線溶現象の解析に有用である.現時点ではBβ1-42はEIAで,Bβ15-42はEIAとRIAで測定され,RIAによるBβ15-42測定系では一次線溶と二次線溶を鑑別できないが,EIAによるBβ1-42,Bβ15-42測定系では互いに交差反応性をもたず,理論的には両者を鑑別しうると考えられる.
 プラスミンによるフィブリノゲンおよびdes Aフィブリンモノマーの分解ではBβ1-42値は一過性に上昇し,その後Bβ15-42値が高値をとり,Bβ1-42測定はこれらのプラスミン分解初期をとらえることが確認された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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