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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻13号

1989年12月発行

文献概要

今月の主題 精神疾患をめぐる臨床検査 カラーグラフ

老年性精神疾患の病理組織検査

著者: 朝長正徳1 最勝寺順子1 宇野雅宣1

所属機関: 1東京大学医学部脳研究施設脳病理学部門

ページ範囲:P.1714 - P.1716

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 脳の標本は,他の臓器と異なり神経細胞,グリア,神経線維(軸索,髄鞘)が主体であるために,特殊な染色法が開発されている.もちろん,血管やその周囲の結合組織あるいは脈絡叢は他の組織の染色と同じである.したがって,病的変化をキャッチするには,この特殊染色が必須といえる.最近では,このような脳の構成成分に対するいろいろな抗体が作られ,また異常構造や沈着物に対する抗体がほぼ市販されているので,これらを用いた免疫組織化学がしだいにルチン化されつつある.これらの比較により,今まで染色していたものがどういう物質であったか,どういう意義があったかわかるようになった.これには最近の分子生物学の進歩がある.しかし,免疫組織化学は大量の標本の処理には経済的な面からもあまり向かない.この点は古典的方法の方が有利である.今後は両者をうまく併用することが重要であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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