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今月の主題 精神疾患をめぐる臨床検査 巻頭言
精神疾患の生化学的研究の動向
著者: 融道男1
所属機関: 1信州大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.1717 - P.1718
文献購入ページに移動 精神疾患の代表は精神分裂病と躁うつ病(感情病)である.これらの原因不明の内因性精神病について生化学的な病因探究が考えられる理由は,第一に脳に器質的な異常が見いだされないこと,第二に躁うつ病やある種の分裂病では,一旦病期がおさまるとすっかり元の人格に復帰すること,第三にレセルピンをはじめとする降圧剤でうつ病が生じ,メタンフェタミン(ヒロポン)で分裂病と区別できない幻覚妄想状態が生ずることである.最後に分裂病に対して抗精神病薬(神経遮断薬),うつ病に抗うつ薬,躁病に抗躁病薬など,それぞれの病態に有効な薬物が登場してきていることである.以下,分裂病の生化学的研究について述べる.
分裂病は,一般成員中の発現率が0.8%前後で,非常に多い精神疾患である.思春期から40歳ぐらいの間に,幻聴,被害妄想,思考障害,興奮などで発病し,対人関係が困難になり,日常の社会生活ができなくなってしまう.クロルプロマジンやハロペリドールなどの抗精神病薬はこの状態を速やかに改善する.
分裂病は,一般成員中の発現率が0.8%前後で,非常に多い精神疾患である.思春期から40歳ぐらいの間に,幻聴,被害妄想,思考障害,興奮などで発病し,対人関係が困難になり,日常の社会生活ができなくなってしまう.クロルプロマジンやハロペリドールなどの抗精神病薬はこの状態を速やかに改善する.
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