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文献概要
今月の主題 精神疾患をめぐる臨床検査 技術解説
髄液中の神経伝達物質
著者: 中村重信1
所属機関: 1京都大学医学部神経内科学教室
ページ範囲:P.1731 - P.1736
文献購入ページに移動 患者の腰椎穿針を行い,得られた髄液を用いて,神経伝達に関連する物質の検索が行われている.アルツハイマー型痴呆患者の髄液ではアセチルコリン・エステレース,ドパミン—β—水酸化酵素活性が低下し,5—HIAA,ソマトスタチン,バゾプレッシン濃度が減少する.病的泣き・笑いを呈する脳血管障害患者では髄液HVA濃度が低下し,L-DOPA投与により症状の改善をみることがある.髄液神経伝達物質の検索が治療の指針となることがある.
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