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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻3号

1989年03月発行

文献概要

今月の主題 生体内の酸化と還元 技術解説

過酸化脂質の測定法

著者: 荻原享1 保田浩1 美濃真1

所属機関: 1大阪医科大学小児科学教室

ページ範囲:P.262 - P.267

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 過酸化脂質は,生体膜の損傷による直接的な障害のみでなく,癌や動脈硬化など種々の病態との関連が注目され,その関心が高まっている.過酸化を受ける脂質は,主に生体膜中リン脂質に多く存在する不飽和脂肪酸や,コレステロールのステロール核などであるが,過酸化脂質とは,脂質が酸化されて生じたペルオキシド(-O-O-)構造をもつ各種の酸化産物の総称であり,しかもこれには二次酸化産物が含まれる場合もある.よって,過酸化脂質を測定する場合,方法によってその測定法が生体膜過酸化反応のどの段階を反映し,何をとらえているのかを十分考慮に入れたうえでデータを解釈する必要がある.本稿では,スタンダードなTBA法を中心に,最近注目されている化学発光を利用する方法などについても簡単に触れる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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