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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻3号

1989年03月発行

文献概要

今月の主題 生体内の酸化と還元 技術解説

チトクロームP−450の測定法

著者: 今岡進1 舩江良彦1

所属機関: 1大阪市立大学医学部化学研究室

ページ範囲:P.287 - P.294

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 チトクロームP−450(以下,P−450)は,生体外異物の解毒,ステロイドの生合成,代謝,トロンボキサンの合成,ビタミンD3の活性化など,生体にとって重要な働きをする反面,化学発癌物質の活性化など好ましくない作用を有するものも知られている.生体に薬物を投与するといくつかの新しいP−450が誘導されたり,さらに最近では糖尿病などの病態時においてP−450が誘導されることが報告され注目されているが,誘導によって,薬物代謝能が非常に増加したり,発癌物質の活性化能が増加したりすることはよく知られている.さらにヒトでは,ある種のP—450分子種が遺伝的に欠損している例が報告されており,生体の代謝活性に重要な影響を与えていると考えられている.
 現在P−450分子種の定量は主にウェスタンブロッティング法を用いて行われているが,薬物代謝,発癌などさまざまの面からP−450を定量することは,今後有用になってくるのではないかと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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