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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻5号

1989年05月発行

文献概要

今月の主題 注目される寄生虫・原虫疾患 巻頭言

今なぜ寄生虫症,原虫症の研究が必要か

著者: 中林敏夫12

所属機関: 1藤田学園保健衛生大学医学部寄生虫学教室 2前:大阪大学微生物病研究所寄生虫・原虫学部門

ページ範囲:P.489 - P.490

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 わが国における寄生虫症,原虫症発生の様相は,ひとむかし前とは著しく変貌し,これとともに,最近のこの分野における研究目標や方法にも大きな変化がみられる.特に近年,めざましい発達を遂げた免疫学や分子生物学の知識,技術の,この分野への導入が盛んで,これまでとは違った発想からの研究が進展しつつある.ここでは現在の寄生虫症,原虫症発生の様相とその問題点,最近の研究上の焦点について簡単に述べることとする.
 まず,わが国の寄生虫症,原虫症発生の現状である.かつては蛔虫,鉤虫などの腸管寄生虫症が多く,その生物学的特徴,分類,疫学,駆虫,対策などの研究が中心であった.これに加えて,日本住血吸虫症,肺吸虫症といった臓器寄生性のものも重要な研究対象であった.原虫症に関しても,土着性マラリアや赤痢アメーバ症をはじめとする腸管原虫症の治療,予防問題などをめぐって研究が展開されていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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