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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻5号

1989年05月発行

文献概要

今月の主題 注目される寄生虫・原虫疾患 技術解説

DNAプローブ検査法

著者: 菅根一男1

所属機関: 1信州大学医学部寄生虫学教室

ページ範囲:P.508 - P.514

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 特異性のある感度のよい標識DNAプローブを用いて,寄生虫ゲノムまたは運動核DNAとhybridizationを行う診断(同定)法が検討されている.開発途上国に莫大な感染人口をもつマラリアでは,疫学調査などの目的で従来からの血液塗抹標本による診断法に代わり,合成されたDNAプローブを用いた診断法が開発されつつある.やはり,世界中に多数の罹患者が存在するリーシュマニア症では,この原虫の分類学的な意味での再検討も含めて,特異的DNAプローブを用いた診断法が研究され,種類と病気の予後との関係が明らかにされつつある.また中南米,アフリカの河川近郊に流行地があり,感染後失明することで知られるオンコセルカ症では,失明率の低い熱帯雨林型に特異性のあるDNAプローブが作製され,失明率が高く形態学的に区別がつきにくいサバンナ型と選別し,予後を予測しようとする試みがなされている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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