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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻5号

1989年05月発行

文献概要

今月の主題 注目される寄生虫・原虫疾患 技術解説

組織寄生原虫症の検査法

著者: 神原廣二1

所属機関: 1長崎大学熱帯医学研究所原虫学部門

ページ範囲:P.520 - P.525

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 原虫症は起因原虫の多様な感染様態ゆえに,一定の原虫検出法はない.症状別,検査臓器別に検査法を系統づけようとしたが,かえって複雑さを増すばかりであった.結局,起因原虫による疾患別にそれぞれ検査法を簡述した.ただ,本来わが国に存在するものと,熱帯を中心とした海外でのみ罹患するものを別項とした.最近の交通機関の発達による世界の距離の短縮と,わが国の経済発展に伴う外国人労働者の流入増加,邦人における食習慣を中心とした生活習慣,行動様式の変化は,一般病院,診療所においても思いもかけない疾患に遭遇する機会を作りだしている.大部分の原虫症は,市販の診断キットを利用して診断することはできない.免疫学的方法も補助的な意味合いしかない.したがって,正確な診断を得るためには,原虫症の基礎的知識の上にたって,原虫検出法を適用しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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