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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻5号

1989年05月発行

文献概要

今月の主題 注目される寄生虫・原虫疾患 注目されている感染症

国際化に伴う輸入原虫症

著者: 矢野健一1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所原虫学教室

ページ範囲:P.532 - P.539

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 近年,国際化社会の到来は,わが国と,まだ伝染病の流行している発展途上国との相互の人的・物的交流の増加をもたらした.海外渡航者も,衛生状態の悪い地方へ進出するようになり,日本ではまれとなった経口感染による腸管寄生原虫(赤痢アメーバ,ランブル鞭毛虫など)に感染する機会が増えている.また,日本にはいない吸血性昆虫に媒介されるリーシュマニア症,トリパノソーマ症や,日本ではなくなった蚊の吸血によるマラリアの持ち込みも増加している.一般に寄生虫症は,症状が軽いものが多く,潜伏期間も長いので,持ち帰られやすいが,現今の医療態勢では,これらの輸入寄生虫病に対する認識が十分でなく,正確な診断,治療が必ずしも行われていない.発展途上国からの帰国者や,来日外国人の診療にあたっては,これら輸入寄生虫病の典型的な症状を知り,疑いをもつことが,早期診断につながる.ここでは,重症化することもある輸入原虫疾患について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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