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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻5号

1989年05月発行

文献概要

研究

AFP高値胃癌におけるAFP,CEA,HCGの免疫細胞組織化学的検討

著者: 加藤拓1 高橋久雄1 畠山郁夫1 井田喜博1 渡辺義二2 入江氏康2 佐藤裕俊2 堀内文男3 武田敏3 松本敬4

所属機関: 1船橋市立医療センター検査科 2 3 4

ページ範囲:P.575 - P.581

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 血中AFP高値胃癌症例における胃癌細胞中のAFP, CEA, HCGを免疫細胞組織化学的検索を中心に20例について検討した.①その臨床病理学的背景は平均61.2歳,男女比は11:9,全例進行癌で組織型は低分化腺癌,髄様型を示すものが多く,肝転移を高率に認めた.②血中AFP値が500 ng/ml以上の症例において組織中にAFPの局在を認め,その組織型は低分化腺癌,髄様型を示すものが多く,原発巣の染色性の強弱は転移巣にも反映されていた.CEAが組織中に局在する症例はCEA値1.4ng/ml前後で,すでに認められ,その組織型はAFPの局在部位とは異なり中分化〜低分化腺癌の硬型の部位に強い傾向にあった.HCGの局在部位は低分化腺癌,髄様型の中にわずかに認められ,その細胞は多核で広い細胞質をもっていた.③AFP陽性細胞の染色態度は細胞質において辺縁型,顆粒型,びまん型,封入体型の4種類に分類され,その細胞形態は円柱細胞タイプ,肝細胞タイプ,小円形細胞タイプの3種類であった.④電顕的には肝細胞癌と腸上皮化生細胞に類似する所見を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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