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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻6号

1989年06月発行

文献概要

今月の主題 筋疾患と臨床検査 話題

血中乳酸と,ドライケミストリーによるその新しい測定法

著者: 下條信雄1 中恵一1

所属機関: 1大阪市立大学医学部臨床検査医学教室

ページ範囲:P.680 - P.681

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 生体内において乳酸は主に骨格筋,脳,赤血球などで産生され,肝および腎で利用される.血中乳酸濃度はこの産生と利用の平衡関係のバロメーターである.ショックや心疾患などによる循環不全,すなわち組織の低酸素状態,過呼吸によるアルカローシス,糖尿病の乳酸アシドーシス,重症肝疾患や悪性腫瘍などで血中乳酸値は上昇し,病勢や予後を判定する指標のひとつとされている.
 近年,血中乳酸値は運動生理学の分野において注目され,運動の適合性やトレーニング効果の判定などに広く応用されている.昨年のソウルオリンピック前の選手強化トレーニングの際,一部の競技では血中乳酸値を測定してそれを判定材料として用いたことはよく知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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