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文献詳細

雑誌文献

臨床検査33巻7号

1989年07月発行

文献概要

今月の主題 臨床検査における標準物質 各論

尿検査用標準物質

著者: 今井宣子1

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院中央臨床検査部

ページ範囲:P.767 - P.772

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 尿検査用標準物質として現在もっとも問題となっているのは,尿蛋白定量用標準物質である.そこで,本稿では主にこれについて,その現状と問題点について解説した.
 従来より,尿蛋白定量法の施設間差は大きく,標準化されているとはいいがたい現状にある.これを解決するには,測定法と標準物質の統一化が必要となる.測定法の統一化は困難であるが,標準物質の統一化は比較的容易と考えられ,これまでにウシ血清アルブミンやヒト血清アルブミンがいくつかの学会から標準物質として推奨されてきた.標準物質としては,原則的にはアルブミンの純品を用いるのが理想的である.しかし,蛋白種間差の大きい測定法が大半の施設で日常一般法として採用されている現況下にあっては,ヒト血清を標準物質とするほうが測定値の方法間差も施設間差も最小となり,かつ真値にもっとも近づくと思われるため,これを推薦したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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