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今月の主題 糖尿病
技術解説
文献概要
蛋白と糖との非酵素的・非特異的結合反応は,glycationあるいはMaillard反応といわれ,自然界の普遍的な反応であり生体内でも生じることが知られている.本反応は,蛋白のアミノ基と糖とがSchiff塩基を介して安定なケトアミン付加物(Amadori化合物)を形成する初期段階とそれ以降の後期段階とに大別される.Maillard反応初期段階化合物は,血糖コントロールの指標として臨床応用されている.一方,半減期の長い蛋白では後期段階化合物が形成され,それが蓄積し糖尿病性合併症の成因および老化との関係で注目されている.本稿では,Maillard化合物の測定法,および本化合物の病因的意義について概説した.
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