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文献詳細

雑誌文献

臨床検査34巻1号

1990年01月発行

文献概要

今月の主題 異常環境 解説

時差

著者: 本間研一1

所属機関: 1北海道大学医学部生理学第一講座

ページ範囲:P.75 - P.79

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 人が急激な時差の変化に暴露されると,不眠,覚醒困難,精神作業能力の低下,胃腸障害などを主症状とする一過性の精神身体的不調が生じる.原因は,再同調速度の異なる2つの生体リズム系に生じる内的脱同調にあると考えられる.その結果,睡眠構造や体温リズム,ホルモン分泌に特徴的な変化があらわれ,生体機能の時間的統一が失われる.時差症状は1週間ほどで自然に消失するので,多くの場合問題ないが,リズムの逆行性再同調による時差症状の遷延化や,くり返し時差に曝露されることによる症状の慢性化は治療の対象となることがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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