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血清コレステロール(TC)が冠動脈硬化の重要な危険因子であることは,広く知られている.血清脂質の正常値は,従来,一般健康人の集団の平均±標準偏差で決められていた.しかし,この方法では環境因子により異なった値となり,また,健康人と思われる人で将来動脈硬化症を生じるおそれのある高脂血症患者を除外することはできず,動脈硬化症の危険因子としての高脂血症を定義する標準値(正常値)を決定することは困難である.したがって,正常値として大規模な疫学調査から得られた正常値が採用されるようになっている.
フラミンガム・スタディによると,TCと冠動脈硬化症(CHD)の関係は,240mg/dlを越えると直線的に高くなると,CHDを生じる閾値が考えられていた1).しかし,1986年に発表されたMultiple Risk Factor Intervention Trial(MRFIT)の成績で,150mg/dlより300mg/dlまで,TCが上昇すればするだけCHDによる死亡が増加することが示され2),現在では,TCは低ければ低いほうが冠動脈硬化に良いと考えられている.
フラミンガム・スタディによると,TCと冠動脈硬化症(CHD)の関係は,240mg/dlを越えると直線的に高くなると,CHDを生じる閾値が考えられていた1).しかし,1986年に発表されたMultiple Risk Factor Intervention Trial(MRFIT)の成績で,150mg/dlより300mg/dlまで,TCが上昇すればするだけCHDによる死亡が増加することが示され2),現在では,TCは低ければ低いほうが冠動脈硬化に良いと考えられている.
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